オンラインゲーム用語「アクティブフレーム(持続)」の解析と実戦理論

  1. 1. 序論:デジタル空間における「一瞬」の重み
    1. 1.1 ゲームにおける「時間」の最小単位:フレーム
  2. 2. 攻撃動作の構造解剖:三位一体のフェーズ
    1. 2.1 スタートアップ(Startup Frames / 発生)
    2. 2.2 アクティブフレーム(Active Frames / 持続)
    3. 2.3 リカバリー(Recovery Frames / 硬直・戻り)
  3. 3. アクティブフレームの技術的詳細と性質
    1. 3.1 数値としての実態:見た目との乖離
    2. 3.2 判定の「質」と持続の関係
    3. 3.3 多段技のメカニズム
  4. 4. 戦術理論 I:持続の「長さ」がもたらす空間支配
    1. 4.1 「置き技」としての機能
    2. 4.2 対空攻撃における信頼性
    3. 4.3 「持続」と「発生」のトレードオフ
  5. 5. 戦術理論 II:フレームデータの魔術「持続当て(Meaty)」
    1. 5.1 フレームアドバンテージ(有利不利)の基礎計算式
    2. 5.2 「持続当て」による数値の改変
    3. 5.3 実戦でのメリット
  6. 6. ジャンル別・アクティブフレームの役割比較
    1. 6.1 2D対戦格闘ゲーム(ストリートファイター、ギルティギア等)
    2. 6.2 3D対戦格闘ゲーム(鉄拳、バーチャファイター等)
    3. 6.3 プラットフォーム格闘(大乱闘スマッシュブラザーズ等)
    4. 6.4 アクションRPG・死にゲー(ダークソウル、エルデンリング等)
  7. 7. 開発者視点:アクティブフレームとゲームエンジン
    1. 7.1 ヒットボックスの生成ロジック
    2. 7.2 バランス調整のレバーとして
  8. 8. 認知科学とアクティブフレーム:人間の限界
    1. 8.1 反応速度と「メンタルスタック」
    2. 8.2 「見えない」情報への対処
  9. 9. 総括:アクティブフレームを極めるための学習ガイド
    1. 9.1 データの優先順位
    2. 9.2 トレーニングモードの活用
    3. 9.3 結論
    4. 用語集・関連概念(Glossary)

1. 序論:デジタル空間における「一瞬」の重み

オンラインゲーム、とりわけ対戦格闘ゲーム(Fighting Games)や高難易度のアクションRPG(ダークソウルシリーズ等)において、プレイヤーの勝敗を分けるのは反射神経だけではありません。

そこには「フレームデータ」と呼ばれる、極めて論理的かつ数学的な法則が支配する世界が存在します。

プレイヤーが直感的に「攻撃判定」と呼ぶものの正体、それが本レポートの主題である『アクティブフレーム(Active Frames)』です。

日本語圏のコミュニティでは「持続(Jizoku)」という通称で親しまれているこの用語は、単なる専門用語の枠を超え、ゲームデザインの根幹を成す重要なパラメータです。

本レポートでは、アクティブフレームの定義から始まり、その技術的な仕組み、実戦での応用理論、さらには開発者視点での設計思想に至るまで、文字通り「網羅的」に解説を行います。

初心者の方が抱く「なぜ攻撃が当たらないのか?」という疑問から、上級者が追求する「1/60秒の攻防」まで、あらゆるレベルのプレイヤーに資する知見を提供します。

1.1 ゲームにおける「時間」の最小単位:フレーム

アクティブフレームを理解するための大前提として、ゲーム内での「時間」の概念を共有する必要があります。

我々が生きる現実世界では時間は連続的に流れていますが、コンピュータゲームの世界では、時間は「コマ」の連続として処理されています。

このコマの単位を「フレーム(Frame)」と呼びます。

現代の標準的な対戦ゲーム環境において、1秒間は「60フレーム」で構成されています(60 FPS: Frames Per Second)。

つまり、ゲーム内の「1フレーム」とは「1/60秒(約0.0166秒)」という極めて短い時間を指します。

「発生が速い」「隙が小さい」といった表現は、すべてこのフレーム数によって数値化されています。

この微細な時間の積み重ねが、画面上のドラマチックな攻防を生み出しているのです。


2. 攻撃動作の構造解剖:三位一体のフェーズ

あらゆる攻撃アクションは、例外なく3つの段階(フェーズ)に分解することができます。

アクティブフレームとは、この3段階の中央に位置する最も重要な要素です。

2.1 スタートアップ(Startup Frames / 発生)

プレイヤーがボタンを入力してから、実際に攻撃判定が出現するまでの「準備期間」です。

キャラクターが剣を振りかぶったり、拳を引き絞ったりするアニメーションがこれに該当します。

重要なのは、この期間中、キャラクターは「無防備」であり、かつ「相手にダメージを与える能力を持っていない」という点です。

  • 戦略的意味: スタートアップのフレーム数が少ない(=数値が小さい)技ほど、「発生が速い」とされ、相手の攻撃に割り込んだり、咄嗟の反撃に使ったりするのに適しています。

2.2 アクティブフレーム(Active Frames / 持続)

これこそが本レポートの核となる概念です。

スタートアップが終了し、攻撃判定(Hitbox)が空間に出現している期間を指します。

「アクティブ」という言葉が示す通り、この期間中にのみ、技は「生きて」います。相手のキャラクター(の食らい判定/Hurtbox)にこの判定が接触することで初めて、ヒットやガードといったイベントが発生し、ダメージ計算が行われます。

  • 日本語通称「持続」の由来: 攻撃判定が一定時間「持続」することから、日本のゲーマー間では「持続」と呼ばれます。「持続が長い」「持続が短い」といった表現は日常的に使用されています。

2.3 リカバリー(Recovery Frames / 硬直・戻り)

アクティブフレームが終了した後、キャラクターが体勢を立て直し、再び操作可能になるまでの期間です。

攻撃を振り抜いた後のフォロースルー動作などがこれにあたります。この期間中、攻撃判定は既に消失していますが、プレイヤーはまだガードや移動ができません。

  • リスクの所在: 格闘ゲームにおける「隙(スキ)」とは、主にこのリカバリーフレームを指します。リカバリー中に相手の攻撃を受けることを「差し返し(Whiff Punish)」と呼び、これは対戦における大きなダメージ源となります。
フェーズ英語表記日本語通称定義プレイヤーの状態
第1段階Startup発生攻撃判定が出るまでの予備動作無防備・攻撃不可
第2段階Active持続攻撃判定が出現している期間攻撃可能(核心)
第3段階Recovery硬直ニュートラルに戻るまでの動作無防備・操作不能

3. アクティブフレームの技術的詳細と性質

アクティブフレームは単なる「攻撃できる時間」以上の複雑な性質を持っています。

ここでは、開発ツール(UFEなど)の視点も交えながら、その内部構造を深掘りします。

3.1 数値としての実態:見た目との乖離

初心者が陥りやすい罠として、「アニメーションが見えている間はずっと攻撃判定がある」という誤解があります。

例えば、豪快にアッパーカットを放つ技の全体動作が40フレーム(約0.7秒)あったとします。

しかし、実際に相手にダメージを与えられる「アクティブフレーム」は、その中のわずか「2〜4フレーム(約0.05秒)」程度である場合がほとんどです。

拳が空中にあっても、システム上で設定されたアクティブフレーム期間外であれば、その拳は「幻」のように相手をすり抜けます。

これを理解することは、ゲームの映像に惑わされず、システムロジックを見抜く第一歩となります。

3.2 判定の「質」と持続の関係

アクティブフレーム中であっても、常に同じ攻撃判定が出ているとは限りません。

高度な格闘ゲームでは、アクティブフレームの進行に合わせて判定の性質が変化することがあります。

  • クリティカル期間(Sweet Spot): アクティブフレームの出始め部分。ここに「高威力」「高スタン値」が設定されていることが多いです。
  • カス当たり期間(Sour Spot): アクティブフレームの終わり際。判定は残っているものの、威力が減衰していたり、与える硬直が短かったりします。開発ツール上では、これらを「Hit Conditions(ヒット条件)」や「Active Frames」の分割設定によって制御しています。例えば、「3〜5フレーム目はダメージ100」「6〜10フレーム目はダメージ60」といった設定がなされています。

3.3 多段技のメカニズム

「百裂拳」のような多段ヒット技は、1つの長いアクティブフレームで構成されているわけではありません。

開発的には、短いアクティブフレームの塊が、隙間を空けて配置されています。

例:

  • Active 1: 5-7F(1ヒット目)
  • Active 2: 15-17F(2ヒット目)
  • Active 3: 25-27F(3ヒット目)この間の隙間(8-14Fなど)は、見た目は攻撃していても判定が消えています。この隙間を知ることで、相手の連打の間に無敵技で割り込むといった高度な対策が可能になります。

4. 戦術理論 I:持続の「長さ」がもたらす空間支配

アクティブフレームの長さ(持続フレーム数)は、その技が戦場でどのような役割を果たすかを決定づけます。

4.1 「置き技」としての機能

アクティブフレームが長い技(5フレーム以上など)は、「置き技」として機能します。

相手が前進してきそうな空間にあらかじめ技を出しておくことで、相手がその空間に足を踏み入れた瞬間にヒットさせることができます。

これを「壁を作る」「ラインを上げる」と表現します。

持続の短い技では、相手が来るタイミングとドンピシャで合わせる必要がありますが、持続が長い技はタイミングの許容範囲が広く、防御的な運用において非常に強力です。

4.2 対空攻撃における信頼性

相手がジャンプ攻撃を仕掛けてきた際、迎撃(対空)に使用する技において、アクティブフレームの長さは信頼性に直結します。

空中の相手は高速で移動しています。持続が短い対空技は、少しでもタイミングがずれると空振りし、手痛い反撃を受けます。

一方、持続が長い対空技は、早めに出しておいても空中の相手を引っ掛けやすく、安定した対空手段となります。

4.3 「持続」と「発生」のトレードオフ

ゲームバランスの観点から、一般的に以下のような傾向が見られます。

  • 発生が速い技: 持続は短く設定されがち(ピンポイントで当てる必要がある)。
  • 発生が遅い技: 持続が長く設定されることがある(当てやすさの担保)。
  • 大振りな強攻撃: 持続は短いが、リーチやダメージが大きい。プレイヤーはこの特性を理解し、状況に応じて「速さ」を取るか「判定の持続」を取るかを選択する必要があります。

5. 戦術理論 II:フレームデータの魔術「持続当て(Meaty)」

アクティブフレームの概念を理解する上で、最も実践的かつ強力なテクニックが「持続当て(Meaty Attack)」です。

これは中級者から上級者への登竜門とも言える理論であり、フレームデータの数値をプレイヤーの工夫で書き換えてしまう魔法のような技術です。

5.1 フレームアドバンテージ(有利不利)の基礎計算式

まず、通常のヒット/ガード時の状況を整理します。

  • フレーム状況 = 防御側の硬直時間 – 攻撃側の残り動作時間(残り持続 + リカバリー)

通常、技のフレームデータは「アクティブフレームの1フレーム目(出始め)」が当たったことを前提に表記されています。

例として、ある技のスペックが以下だとします。

  • 発生: 10F
  • 持続: 6F
  • 硬直: 20F
  • ヒット硬直(相手): 25F(固定)

この技を普通に当てた場合(持続1F目ヒット):

  • 攻撃側の残り動作: 残り持続5F + 硬直20F = 25F
  • 防御側の硬直: 25F
  • 結果: 25 – 25 = 0F(五分)。両者同時に動けます。

5.2 「持続当て」による数値の改変

では、この技を「起き上がり」などに重ねて、アクティブフレームの**最後(6フレーム目)**だけを当てたとします。

  • 攻撃側の状況: 既に持続の5F分は経過しています。ヒットした瞬間に残っているのは、硬直の20Fのみです。
    • 攻撃側の残り動作: 20F
  • 防御側の状況: いつ当たろうが、当たった瞬間からヒット硬直が発生します。
    • 防御側の硬直: 25F
  • 結果: 25 – 20 = +5F(5フレーム有利)

5.3 実戦でのメリット

このように、アクティブフレームの後半部分を当てることで、本来「五分(±0F)」だった技が「+5Fの大幅有利」な技に変化しました。

これにより、以下のような現象が起こります。

  1. コンボが繋がる: 通常なら繋がらない技が、有利フレームが増えたことで繋がるようになります。
  2. 反撃を受けない: ガードされた場合でも、本来なら「-5F(反撃確定)」の技が「±0F(反撃なし)」になり、安全に攻めを継続できます(Safe Jumpなどにも応用されます)。
  3. 暴れ潰し: 大幅な有利フレームを取ることで、相手が最速の技で暴れようとしても、こちらの次の攻撃が先にヒットします(Frame Trap)。

この「持続当て」を狙うための最適なタイミングが、相手がダウンから復帰する瞬間(起き上がり)です。

相手は動けないため、タイミングさえ合わせれば確実に持続の後半部分を重ねることができます。

これを「Meaty(ミート)」と呼びます。

項目通常ヒット(持続1F目)持続当て(持続終了際)効果
攻撃側の残り動作長い(残り持続 + 硬直)短い(硬直のみ)次の行動へ早く移れる
防御側の硬直一定一定変化なし
フレーム収支標準値(例:±0F)改善値(例:+4F)攻め継続・コンボ始動が可能に

6. ジャンル別・アクティブフレームの役割比較

アクティブフレームの概念は、2D格闘ゲームだけでなく、多様なジャンルで形を変えて存在しています。

6.1 2D対戦格闘ゲーム(ストリートファイター、ギルティギア等)

最も厳密なフレーム管理が求められるジャンルです。

  • セットプレイ: ダウンさせた後の状況(起き攻め)が完全にパターン化されており、「この技を空振りしてからこの技を出すと、ちょうど持続の最後が重なる」といった「フレーム消費」レシピが開発されています。
  • 無敵技との兼ね合い: 「昇龍拳」のような無敵技は、発生と同時に無敵になりますが、アクティブフレームが終わると無敵も切れることが一般的です。持続の長い技を重ねることで、無敵時間が短い技を潰すことも可能です。

6.2 3D対戦格闘ゲーム(鉄拳、バーチャファイター等)

奥行きの概念があるため、アクティブフレームは「空間的な追尾性能」ともリンクします。

  • ホーミング性能: アクティブフレームが長い回転系の技は、相手が横移動(Sidestep)で避けようとしても、長時間判定が残っているため、移動先に判定が届いてヒットする場合があります。
  • 置き攻めの違い: 2Dほど起き上がりのタイミングが固定されていない(横転、後転、寝っぱなし等が選べる)ため、持続当て(Meaty)を完全に固定のタイミングで決めることは難しく、読み合いの要素が強くなります。

6.3 プラットフォーム格闘(大乱闘スマッシュブラザーズ等)

  • 可視化された持続: ネスのヨーヨーや、リンクの空N(ニュートラル空中攻撃)のように、判定を出しっぱなしにする技が多く存在します。
  • 復帰阻止: 崖に捕まる瞬間にはわずかな隙(2フレームなど)が存在することがあります。ここに持続の長い技を「置いて」おくことで、一瞬の隙を逃さずに相手を撃墜するテクニックが基本となります。

6.4 アクションRPG・死にゲー(ダークソウル、エルデンリング等)

PvE(対CPU戦)においても、アクティブフレームの知識は生死を分けます。

  • ローリング回避の無敵: プレイヤーの回避動作(ローリング)には「無敵フレーム」があります。しかし、ボスの攻撃の「アクティブフレーム」が、こちらの「無敵フレーム」よりも長い場合、回避モーションの終わり際に攻撃がヒットしてしまいます(いわゆる「持続狩り」)。
  • 対策: このような攻撃に対しては、無敵時間でやり過ごすのではなく、アクティブフレームの判定範囲外へ物理的に移動する必要があります。

7. 開発者視点:アクティブフレームとゲームエンジン

プレイヤーが数値として認識しているアクティブフレームは、開発環境(Unity, Unreal Engine, UFE等)ではどのように実装されているのでしょうか。

7.1 ヒットボックスの生成ロジック

開発ツール上では、タイムラインエディタを使用して「何フレーム目から何フレーム目まで、どのボーン(骨格)に、どのサイズのコライダー(当たり判定)を追従させるか」を指定します。

  • Interpolation(補間)の問題: ゲームは60FPSですが、動きはスムーズに見せるために補間されています。しかし、当たり判定のロジックは離散的(飛び飛び)に処理されることが多く、高速で移動する攻撃は、フレーム間の「隙間」をすり抜けてしまう可能性があります。これを防ぐために、開発者は「Box Cast」や「Sphere Cast」といった、点ではなく線や体積で判定を計算する技術を用い、フレーム間の移動経路すべてをアクティブフレームとして扱う工夫を凝らしています。

7.2 バランス調整のレバーとして

アクティブフレームは、開発者にとって最も調整しやすい「バランス調整のつまみ」の一つです。

  • 強すぎる技の弱体化: ダメージや発生を変えずに、「持続を短くする」だけで技の強さをマイルドにできます。これにより、「置き技」としての性能を奪い、狙って当てなければならない技へと性質を変えることができます。
  • ラグ対策: オンライン対戦を前提とする場合、通信遅延(ラグ)を考慮して、オフライン専用ゲームよりも若干持続を長めに設定することで、操作の快適性を担保することもあります。

8. 認知科学とアクティブフレーム:人間の限界

なぜアクティブフレームの知識が必要なのでしょうか?

それは、人間の反応速度には限界があるからです。

8.1 反応速度と「メンタルスタック」

人間の視覚反応速度は、単純な刺激に対して平均して約0.2秒(12〜16フレーム)程度と言われています。

しかし、実戦では複数の選択肢から判断する必要があるため、反応には20フレーム以上かかることが一般的です。

  • 予測の補助線: アクティブフレームを知ることは、反応できない速度の攻防において「予測」の精度を高める役割を果たします。「この技は持続が長いから、起き上がりに重ねてくるだろう」という予測があれば、反応速度を超えた防御(パリィや無敵技)が可能になります。

8.2 「見えない」情報への対処

アクティブフレームは、通常ゲーム画面には表示されません(トレーニングモードを除く)。

プレイヤーはキャラクターのアニメーションという「記号」を通じて、内部の数値データを読み取る必要があります。

熟練プレイヤーは、キャラクターが拳を引き戻し始めた瞬間に「アクティブフレームが終わった(=隙だ)」と判断し、差し返しを行います。

これは視覚情報と内部データの対応付けが脳内で完了していることを意味します。


9. 総括:アクティブフレームを極めるための学習ガイド

本レポートの締めくくりとして、プレイヤーがアクティブフレームの概念を実戦に活かすための具体的なステップを提示します。

9.1 データの優先順位

膨大なフレームデータを全て暗記する必要はありません。

以下の優先順位で理解を深めてください。

  1. 主要技の発生フレーム: 自分のキャラと相手のキャラの「最速技」を知る(暴れのため)。
  2. ガード時の有利不利: 攻めが続くのか、終わるのかを知る。
  3. 持続(Active): ここで初めてアクティブフレームを意識します。「起き攻めに使いやすい技」「対空に強い技」「置き技」を選別するために、持続の長さを確認します。

9.2 トレーニングモードの活用

現代の格闘ゲーム(ストリートファイター6、鉄拳8など)には、フレームメーターが標準搭載されています。

  • 色の確認: 攻撃を出した際、バーが何色の期間(赤色など)がどれくらい続くか視覚的に確認します。
  • 持続当ての練習: ダミーをダウンさせ、起き上がりに技を重ねてみます。画面に表示される「有利フレーム数」が、通常ヒット時よりも増えていれば、持続当て成功です。このタイミングを体(指)で覚えます。

9.3 結論

「アクティブフレーム」とは、デジタルな闘争空間において、プレイヤーの意思(攻撃入力)が世界に物理的な影響(ダメージ)を及ぼすことができる唯一の時間枠です。

発生(Startup)は未来への投資であり、硬直(Recovery)は過去への代償です。

そしてアクティブフレーム(持続)こそが、現在進行形の「闘い」そのものです。

この概念を深く理解することは、単に知識を増やすだけでなく、ゲーム画面の向こう側で動いている論理的なルールセットと対話することを意味します。

1/60秒の世界に潜むこのメカニズムを味方につけた時、プレイヤーの戦術は「運任せの暴れ」から「必然の勝利」へと昇華されるでしょう。


用語集・関連概念(Glossary)

  • Hitbox(攻撃判定): 攻撃側に設定される、相手に触れるとダメージを与える領域。アクティブフレーム中のみ出現する。
  • Hurtbox(食らい判定): キャラクター全般に設定される、攻撃を受ける領域。これにHitboxが重なるとヒットになる。
  • Whiff(空振り): アクティブフレーム中に相手のHurtboxに触れられなかった状態。リカバリー動作を晒すことになる。
  • Trade(相打ち): 両者のアクティブフレームとHurtboxが同時に重なり合った状態。両者がダメージを受ける。
  • Meaty(持続当て・重ね): 相手の起き上がりや復帰に合わせて、アクティブフレームの後半部分を当てるテクニック。
  • Active Frames(持続): 本稿の主題。攻撃判定が出現しているフレーム数。

以上が、オンラインゲームにおける「アクティブフレーム」の包括的な解説です。

この知識が、より深いゲーム体験の一助となることを願っております。

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